水彩絵の具の使い方とは? 初心者にもわかりやすく徹底解説します

水彩画を描くのに用いられているのは、どんな絵の具でしょう。どんな道具を使ったら、描いてみたいなと思う絵を、描けるのでしょうでしょう。基本的には、小学校で使っていたお絵描きの道具一式あれば描くことができます。カバンの中には、絵の具、パレット、筆、そして筆洗バケツ…が基本でしたよね。

水彩絵の具の種類

でぃでぃ

水彩絵の具って、どんな種類があるの?

りんか

大きく分けると透明度によって3種類になるよ。

水彩絵具には、透明水彩、不透明水彩、半透明水彩の3種類があります。

その3種類とも顔料と水溶性樹脂を練り合わせて作っています。

その他、形状としてチューブ入りのものと固形の絵の具があります。

絵の具の特徴

でぃでぃ

どの絵の具で描いたらいいのかな?迷っちゃうね。

りんか

絵の具の持っている特徴を活かして、描きたいイメージに近づけるように使い分けられたらいいね。

それぞれの特徴を詳しく紹介していきましょう。

①透明水彩

透明水彩絵の具は、その柔軟性と透明性から、
風景画やポートレートなど様々なジャンルの絵画に広く使用されています


透明性:透明水彩絵の具は水と絵の具のみで
できているので、
水で薄めることによって透明度を調節することができます。

薄い色目と濃い色目を使い分けることで、絵画に奥行きや層を与えるのに役立ちます。

柔軟性:透明水彩絵の具は表現技法が豊富なので、いろいろな効果を生み出すことができます。

濃淡をつけたり、ウォッシュ(水彩の薄い塗りつぶし)を使ったり、
ウェット・イン・ウェット(湿った紙面に絵の具を塗る)を行ったりすることが可能です。

調色の自由度:透明水彩絵の具は油絵具などと違って、必要な色を容易に混色できます。
このため、無限のカラーバリエーションを作り出すことができます。

速乾性:水彩絵の具は一般的に速乾性があり、素早く乾燥する特徴があります。
なので、作品を素早く仕上げたり、レイヤーを重ねて作業を進めたりすることができます。

軽量性:透明水彩絵の具は水性で、乾いた後も比較的軽量なので、
作品の保存や持ち運びが容易になります。

②不透明絵具

対して不透明水彩の特徴は、

不透明性:不透明水彩絵の具は、通常、顔料に白や他の不透明な材料が含まれています。

そのため、透明水彩と比較して、より不透明で覆いが強く、色の鮮やかさが増します。

この特性は、絵画で強いカバレッジや色の鮮やかさを求める場合に有用です。

遮蔽性:不透明水彩は透明水彩よりも遮蔽性が高いため、下に塗られた色や線を覆い隠すことができます。


と、いうことは修正や修復が容易になります。


厚塗り可能:不透明水彩は、通常、透明水彩よりも厚塗りに適していて、
立体感や質感を表現するのに役立ちます。

柔軟性:不透明水彩も透明水彩と同様に、様々な技法や表現方法に対応する柔軟性があります。

濃淡をつけたり、ドライブラシテクニックを使ったりすることができます。

速乾性:不透明水彩も一般的に速乾性がありますが、厚塗りや混色を行う場合は、

完全に乾燥するまで時間がかかることがあります。

不透明水彩は、特にポスターやイラストレーション、デザインなど、

色彩の強い表現が求められる場面で人気があります。

絵の具を重ねたときの違い

絵の具の選び方

でぃでぃ

透明水彩と不透明粋さにはずいぶん違いがあるんだね。

りんか

と、思うでしょう!けれど、もとは同じ顔料なんだよ。水溶性樹脂の割合の違いで、仕上がりや風合いが変わるんだよね。


透明水彩にはウェット・イン・ウェット(湿った絵面に絵の具を塗る)、
ウェット・オン・ドライ(乾いた絵面に絵の具を塗る)、ドライブラシテクニックなど、
透明性を活かしたさまざまな表現技法があり、


不透明水彩には厚塗りオパーク(不透明水彩のグラデーション)など、
不透明性を利用した技法が一般的です。

作品の質感として、
透明水彩は薄く塗ることが多く、柔らかな質感や透明感を表現することができます
不透明水彩は厚塗りや遮蔽性が高いため、より立体感や質感を強調することができます。

透明水彩と不透明水彩は異なる雰囲気や効果を作り出します。
どんな表現をしたいのかという意図や作品に求める効果によって、
それぞれの持ち味を活かせたらいいですね。

代表的な技法(テクニック)の例

①透明水彩のテクニック

ウォッシュ
ウォッシュは、大きな領域を均一な色で塗りつぶす技法です。

透明水彩絵具を水で十分に薄め、広い面積に色を広げます。
背景や空の色を一気に描くときが
ウォッシュは透明水彩の特性を活かし、淡いトーンや柔らかな効果を生み出すのに適しています。
また、ウォッシュを重ねることで、より深みのある色合いを得ることができます。
ウォッシュは、絵画の下地を作る際や背景を塗る際に一般的に使用されます。

ウェット・イン・ウェット
紙に水を塗布し、その上に透明水彩の色を塗ります。水に色が染み込むため、

柔らかくぼかされた効果が生まれます。

リフト・アウト
リフトアウトは、乾いた透明水彩の上に水や湿った筆を使って色を取り除く技法です。

これにより、明るいハイライトや細かいディテールを描き出すことができます。
例えば、紙が乾いた後に筆を水で湿らせ、特定の部分を軽くこすることで色を取り除きます。
または、ティッシュペーパーを使って湿った色を吸い取ることもできます。

ウェット・オン・ドライ
紙が完全に乾いている状態で、水彩絵具を筆に含ませて色を塗ります。

この方法を使うと、より正確な線やディテールを描くことができます。

グラデーション
色を重ねる前に、筆に含まれた色を徐々に薄めていくことで、

滑らかなグラデーション効果を作り出します。

ドライブラシ
ドライブラシは、水彩絵具を水であまり薄めずに、

筆に含ませた状態で乾いた紙やキャンバスに塗る技法です。
筆に含まれた絵具が乾燥した表面の凸凹やテクスチャーに接触するため、
色が不規則に塗られ、質感豊かな効果が生まれます。この技法を使用することで、
木の木目や岩の質感など、自然の模様を表現するのに適しています。
また、物体の輪郭やディテールを強調するのにも役立ちます。

ソルト(塩)
塩を使った技法では、湿った絵の上に塩を撒き、塩が絵具と反応することで特殊な模様が生まれます。

塩の粒子が絵具を吸収し、周囲の色に影響を与えることで、
興味深いテクスチャーやパターンが生まれます。
塩の種類や粒度によって効果が異なるため、実験してみると良いでしょう。

バックラン

バックランは、湿った絵の上に水や色を追加することで、色が既存の色に浸透して広がる現象です。

通常、これは予期せぬ効果として現れ、絵画に深みや興味深い模様をもたらします。
バックランは、絵具が湿った領域に追加されたときに発生し、
絵具の濃度や紙の吸水性によって影響されます。

スパッタリング

スパッタリングは、筆を指で弾いて、細かい水彩絵具の飛沫を絵の上に飛ばす技法です。これにより、興味深いテクスチャーやパターンを作り出すことができます。絵具の濃度や筆の弾き方によって、異なる効果を生み出すことができます。

②不透明水彩のテクニック

ウェット・オン・ウェット
キャンバスや紙に水を塗布し、その上に不透明水彩の色を塗ります。色が水に染み込むため、柔らかくぼかされた効果が生まれます。


ドライ・ブラッシング

水彩絵具を水であまり薄めずに筆に含ませ、乾いた紙やキャンバスに色を塗ります。これにより、明るく鮮やかな色合いやテクスチャーが生まれます。


レイヤリング
色を薄く塗った後、完全に乾いたらさらに色を重ねていきます。これにより、深みや立体感を演出することができます。
水彩絵具を水であまり薄めずに筆に含ませ、乾いた紙やキャンバスに色を塗ります。これにより、明るく鮮やかな色合いやテクスチャーが生まれます。


マスキング
マスキングテープや特殊なマスキング液を使って、特定の部分を保護し、周囲に色を塗ります。その後、マスキングを剥がすことで、鮮やかな白い部分が残ります。


スクラッチング
乾いた絵の上に刃物や特殊なツールを使って、細かい線や模様を彫ります。これにより、興味深いテクスチャーやディテールを追加できます。


塗りつぶし
広い領域を均一な色で塗りつぶすことで、背景や大きな領域を一気に形成します。これは大胆なカラーブロックや背景の作成に使用されます。


拭き取り
湿った筆や布を使って、部分的に色を取り除くことで、ハイライトや陰影を演出します。これにより、深みや立体感を強調できます。

でぃでぃ

うわぁ、いろんな技法があって、使えるようになるか不安だなあ。

りんか

ひとつずつ、楽しみながら絵を描く中で使っていけばいいんだよ。

でぃでぃ

楽しみながら…そうだね、まずは描きながら技法を試してみたいな。

りんか

これから描いていく絵の中で、どんどん紹介していくよ!

まとめ(おすすめの絵の具の選び方)

このように、水彩絵の具には透明絵の具と不透明絵具、そしてそれぞれの性質があります。なので、描きたい絵の目的や表現したいイメージに合わせて使い分けていくことが大切です。

作品の性質や、表現したい効果に応じてどの絵具を使うか選んでいきましょう。
透明水彩は柔らかで透明な色を生み出すのに優れていますし、
不透明水彩は鮮やかな色やよりカバー力のある色で表現したいときに適しています。
技法や好みにもよりますし、それぞれの特徴を生かして両方のタイプを組み合わせることもできます。

なので、考えているよりも、どんどん描いて表現してみましょう!

描いているうちに、自分の好きな描き方がわかってきて、
どんな技法をどこで使ったらいいか身についてきますよ。


今回は、文字での解説が多くなったので、次回から描きたい絵に合わせてどんなテクニックをどこで使っていくかを紹介していきますね。

お楽しみに!

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